本文へスキップ

製造業のコンサル小西正暉は○○○○○○○○を専門とする○○○○○○○○会社です。

HEADLINE

 第724話「新しい二酸化炭素回収貯留方法」

 世界の平均気温の上昇を抑えるために、温室効果ガス削減に関する国際条約、通称「パリ協定」が2016年から施行されています。条約の骨子は、世界の平均気温の上昇を、産業革命以前に比べて2より十分低く保ち、1.5に抑える努力をすることです。

 この目標をクリアするためには、温室効果ガスの排出量を減らすだけではなく、人為的に排出された温室効果ガスを大気中に出さない工夫も必要です。その方法の代表例として、温室効果ガスの大半を占める二酸化炭素(CO2)を地中や海底に閉じ込める「CO2回収貯留(CCS Carbon dioxide Capture and Storage)」方法があります。

有望視されている方法は、帯水層と呼ばれる空隙が大きい砂岩などからなっていて、水あるいは塩水で飽和されている地層へ、CO2を圧入する方法です。しかしこの方法は何らかの地殻変動があった場合、閉じ込めているはずのCO2が噴出しないとも限りません。

 このような心配のない新しい方法が、アイスランドで開発されたとの報道がありました。火山国で間欠泉の多いアイスランドでは、エネルギー生産の半分を地熱発電で賄っています。今回開発の技術は、地熱発電の稼働中に出てくるCO2を石化して貯留する方法です。

 まずは水にCO2を溶かし(炭酸水になる)、地下1,000メートルの岩層に注入します。そうすると、石の細い穴(細孔)に炭酸水が充満され、石(玄武岩)の中にあるマグネシウムや鉄などと反応を起こし凝固するそうです。試験の結果では、注入したほぼ全てのCO22年以内に石化し、ほぼ永久的にその場に閉じ込められることが分かったそうです。

 このプロジェクトによって、発電所のCO2排出量は1/3に削減され、処理料は1トン当たり25ドルで、経済的にも成り立つ見通しがたったとのことです。問題は処理に大量の脱塩水(塩分が除かれた水)が必要で、アイスランドでは豊富にありますが、世界の多くの地域では希少で横展開が難しいことです。そこで現在は塩水でも同じ処理が出来るよう、実験を重ねているそうですから、期待したいところです。

 世界の温度上昇を1.5以内に保つためには、排出量を減らすだけでは無理でしょうから、世界中で利用できる技術に仕上がるまで開発を続けて欲しいものです。