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製造業のコンサル小西正暉は○○○○○○○○を専門とする○○○○○○○○会社です。

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 第726話「昔の日本企業の経営スタイルに戻れ?」

 ステークホルダーとは「企業などが活動を行うことで影響を受ける利害関係者」と定義されています。ここでいう「利害関係者」とは、株主、経営者、従業員、顧客、取引先などだけではなく、なんらかの影響を受けている人たち全てが対象です。米国型の経営スタイルは「株主第一主義」でしたから利益最優先です。一方、一昔前の日本企業は全ての利害関係者に配慮する経営スタイルでした。

 今回は米国型の経営スタイルが行き詰まり、昔の日本型の経営スタイルに歩み寄りだした話です。会長がJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEO、メンバーにはAmazonのジェフ・ベゾスCEOや、GEのメアリー・バーラCEOなど181人の経営トップで構成される、米国経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」が、819日に以下のような内容を発表したそうです。その内容とは「賛同企業は顧客や従業員、取引先、地域社会、株主など、全ての利害関係者の利益に配慮し、長期的な企業価値向上に取り組む」です。

 このような動きは欧州の方が早く、例えば英国ではコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)を改め、利害関係者に従業員の声を経営に反映するよう修正し、今年1月の決算期から適用しているそうです。これまでの日本企業の企業統治改革はスタンスを株主重視に変えてきましたが、世界の動きは逆のようです。

 以上のような動きが背景にあるのでしょう、世界の有力企業はESG(環境・社会・企業統治)経営に舵を切っています。ミレニアル世代(2000年代に成人になった人)の6割が「会社の主な目的を、利益追求より社会貢献と考えている」との調査結果も、後押ししているのかも知れません。

 とはいえ企業は赤字では存続できませんから、資本効率を示すROEも重要です。このROEESGスコアを乗じた「ROESG」なる数値で、世界の大手企業を評価した結果を見つけました。それによると、上位30社のうち90%が欧米企業でした(日本のトップは花王で56位)。トップになったデンマークの医療大手ノボノルディスクは、工場の消費電力の77%を再生可能エネルギーで賄い、無償でインスリンを発展途上国の子供に提供しているそうです。

 欧米の企業がかつての日本企業のやり方を参考にし、日本企業が利益優先に舵を切る、何とも皮肉ですね