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 第729話「生産性の向上は経営者の仕事」

 今回は、日本経済を救うのは「生産性を向上して最低賃金を上げること」と主張している、デービッド・アトキンソンさんの話です。アトキンソンさんはイギリス人で、米金融会社ゴールドマン・サックス証券の金融室長のとき、日本の不良債権の実態を暴いた人だそうです。そんな方が何故か現在は、国宝や重要文化財の補修会社「小西美術工芸社」の社長さんです。

 アトキンソンさんの主張は以下の通りです。日本では生産性の問題を「現場の問題」と捉える傾向が強いが、それは間違いである。現場の権限と知識や知恵で改善できることは「微調整」に過ぎず(改善に過ぎず)、限界がある。改革には、問題がどこにあるのかを調査し、要因を分析し、仕組みを変える必要がある(本来は経営者の仕事)。

 日本は人口増加時代にできた経営のやり方を、政治家も官僚も経営者も、人口減少時代の今も踏襲し変えていない。人口増から人口減へのパラダイムシフトが起きているのだから、改善ではなく改革が必要であると・・・。

 続いて「最低賃金を上げるべき」に関しては以下の通りです。過去20年間(19992018年)の給料は、アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス、どの国でも1.71.5倍増えているが、日本だけ7%減少している。日本ではGDP(国内総生産)の半分以上が民間投資であることを考えると、給料を下げるとはGDP減を加速させているようなものだ(人口減少だけが理由ではない)。

 賃金を上げられない理由を「デフレが長く続いているから」と言うが、逆で賃金を上げないからデフレが続くのである。経営者は自分たちの無能さをデフレのせいにしている。日銀のスタッフが物価を変えているのではない、販売価格を100円から80円にするのか120円にするのかは社長が決めているのだ。

アトキンソンさんの結論は「生産性を向上させ賃金を上げよ」ということで、その両方とも経営者がやることであって、従業員が出来ることではないと喝破しています。大きな会社なら経営者に役員や上級管理職も含まれるでしょう。アトキンソンさんの主張には若干の誇張があるとはいえ、一考に値する意見ではないでしょうか。