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 第762話 「マイナンバーカードも使いよう」

 普及率20%未満というマイナンバーカード、その原因を易しく解説した記事がありました。今回は、日本経済新聞社上級論説委員の大林尚さんの記事からです。話は大林さんの英国での体験から始まります。

 ある朝、自宅の前の駐車スペースに出たとき、マイカーのワイパーに名刺が挟まっていた。セールスだろうと思って捨てようとしたとき、車の後ろが凹んでいることに気が付いた。名刺のコピーと車の写真を保険会社に送ると、こう言われた。「一昔前なら逃げおおせたでしょうが、今は24時間あらゆる場面の記録映像が確認できるので・・・観念したのでしょう」と。

 来客をホテルへ送り、トランクから荷物を下ろすのを手伝った。ひと月後、自宅に市交通局から「駐車違反・・・違反金を支払うように」との連絡が届いた。写真をよく見ると、タイヤが数10センチはみ出していた。

 ロンドンでは1日に数百回、あらゆるところで顔を撮られている。高速道のスピード取り締まりも、何台ものカメラで追跡し、平均速度を測定する。逃げ得を等しく許さない、(この膨大な撮影行為は)社会の公正さを高めている利器であると、大林さんは言います。

 大林さんは人権の中の「社会権」を「公権力による自由」と定義し、犯罪やテロを抑止するためにくまなく見張って欲しいというのが、社会権だと説明しています。(筆者注)一般的には、社会権とは基本的人権の一つで、社会の中を生きていく上で、人間が人間らしく生きるための権利と定義されています。

 大林さんは次のようにも話しておられます。例えば、カルテや処方箋が流された東日本大震災のような場合、一元的に管理されていたとしたら救える命は広がった。また個人の預金が全て把握できていれば、本当に困っている人を特定することも可能で、今回のような一律10万円支給にはならなかっただろう。

 結論としては前富士通総研の榎並利博主任研究員の説明が明快で、「(マイナンバーカード導入に関して)歴代政権は社会権を高めるために必要だという説明より、便利さを強調したが、国民は何が便利なのかよくわからなかった」と、榎並さんは総括しています。公権力からは自由でありたい、されど安全で公平な社会であって欲しい、両立は難しそうですね。