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 第769話 「ビジネスエリートの養成プログラム」

 中東のシリコンバレーと呼ばれるイスラエルには、国防軍のエリート養成プログラム「タルピオット」なるものがあります。このプログラムがイスラエルのハイテク産業を支え、イスラエル経済を牽引していると言っても過言ではないと主張する、ナアマ・ルベンチック氏の記事からです。ルベンチック氏はイスラエル国防軍の勤務を経て、現在はフリーのコンサルタントです。

 ユダヤ人は2000年前、イスラエルの地から追い出された。長い間の念願だった建国が、敵国に囲まれた状態とはいえ1948年成就した。このような状況で徴兵制は避けられなかったが、それが結果的に若者の発想力や責任感、起業家精神を身に着けるための人材育成システムとして機能していると、ルベンチック氏は説明します。

 1973年の第4次中東戦争では、イスラエルの勝利だったとはいえ、多くの人命を失い国防軍の威信が大きく損なわれました。その打開策として「タルピオット」なる、テクノロジーリーダーの養成プログラムをスタートさせたそうです。

 まず全国の高校生から健康や成績を考慮して10,000人を選び、クリエイティビティを測る試験で数百人に絞る。次に3日間の合宿を行い、ビジネスやテクノロジーに関する課題に取り組み、さらに心理学者や教官による面談を行って、最終的に50人を選ぶそうです。

 入隊後は全員が基地で軍事訓練を受けながらヘブライ大学に通い、通常の1.5倍の単位を取らなければならず、途中で1/4が脱落するそうです。与えられるグループ課題は、解決するためのシステム作りで、メンバーは現場の状況を想像し、どんな仕組みならうまくいくかを考え、与えられた予算と期間内に解決する策を完成させなければならない。

 このようにして「どんな分野についても速く学習できる」「学んだことを基に迅速に判断し、プロジェクトの方向性を決めることができる」「チームがその決定に納得して従うリーダーシップを持つ」という力を持った人材の育成に努めているそうです。

 これまでの40年間で、タルピオットを完遂できたのは1000人。年間平均たったの25人とは、人材の育成が容易でないことを証明しているようなものです。一方、たかだか年間25人の養成のみで、人口900万人弱の国が常に世界トップレベルの技術に伍していけることは、一考の価値があるように思われます。