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 第776話 「電気を蓄積する赤レンガ」

 ワシントン大学セントルイス校の研究チームから、レンガをエネルギー貯蔵に用いる方法を発見したとの発表がありました。発表の冒頭に、レンガ造りの家を建てた3匹目のこぶたが、オオカミの襲撃を跳ね返して見事生き残ったという、童話「3匹のこぶた」が紹介されています。そして、レンガの優秀性はそれだけではありません、スマート機能を備えつつあるのですと説明が続いています。

しかしレンガに電気を貯められるなんて、どんな仕組みなのでしょう。電子部品の代表の1つにコンデンサーがあり、そのコンデンサーは電気を蓄えたり放出したりするものです。簡単なコンデンサーの構造は、2枚の金属の薄い板が平行に並んでいるだけで、その金属板の間に電気を貯めることが出来ます。

 レンガは粘土や頁岩(けつがん)の粉を焼き固めたものですから、小さな穴がたくさん開いています。コンデンサーの金属板の役割は電気を伝えることですから、レンガの両サイドに同じ機能を有する物質を塗れば良いことが分かります。

 ワシントン大学では、金属板の役割をPEDOTと呼ばれる導電性ポリマー(電気を通すプラスチック)に置き換え、PEDOTをレンガの表面に含侵(がんしん/浸み込ませること)させたそうです。実験ではレンガに10秒間電圧をかけると、LED10分間点灯したそうです。

 近年は多くの家庭の屋根に太陽電池が載るようになりましたが、文字通りお日さまが出ているときしか発電をしませんから、全ての電気を太陽電池で賄うことはできません。余った電気を貯めておけば、夜でも太陽電池で発電したクリーンな電気を使うことが出来ます。最近、蓄電池を装備した家庭も出てきましたが、まだまだ蓄電池は高価です。なので、レンガに電気を貯めることが出来るなら、どうせ必要な壁ですから一石二鳥です。

 実験に使ったレンガは65セント(約70円)で、近所のホームセンターから買ったと研究者は言っています。身の回りにも、大きな発見のネタが転がっていることを再認識しました。