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 第781話 「製造現場にコロナトランスフォーメーション」

 今回は中京大学の輿水大和名誉教授の唱える、「これからはコロナトランスフォーメーション(以降CX)」についてです。CXとは輿水先生の造語で、いまはやりのデジタルトランスフォーメーション(DX)をもじったものです。まずDXとはデジタル技術を活用して、組織やビジネスモデルを変革することで、最近の大きな流れです。

さらにもう一つの世の中の流れが、新型コロナウイルスの蔓延によってリモートワークが一気に進んだことです。とはいえ、製造分野で装置を家庭に持ち帰って仕事をするのは、現実的でありません。では製造分野において、「DX」と「コロナ」なるキーワードに対し、どのような対応をとれば良いのでしょう。

 まずは生産方式を歴史的にみてみましょう。工業生産方式として20世紀の初頭、ライン生産方式が開発されました。有名なのが自動車会社フォードのベルトコンベヤーを使ったライン生産で、流れる車体に作業者が部品を組み付ける方式でした。ものが普及するにつれて、人々は多様なものを求めるようになりました。そこでメーカーは製品や品種を増やした結果、多品種少量生産に代わりました。これに対応したのがセル生産で、小さな生産ライン(セル)を1人または少人数で受け持ち、製品の完成まで持っていく方式です。

 セル生産では1人が多くの作業を受け持つことから、作業者個々人の知恵や努力が反映され、ベルトコンベヤーのような単純作業と異なり、人間性を取り戻せたところが特長です。逆の表現をすれば、セル生産方式は人に依存する部分が大きく、「蜜」という観点からは難があります。

 その「蜜」を避ける解決策として、人から人への伝達はAR(拡張現実)やVR(仮想現実)を駆使してリモートで行う。医療分野でARVRを使って遠隔手術を行う話と同じ手法です。生産工程をリモートワークに切り替えることは難しいが、DXを駆使すれば製造工程においてもコロナ禍に対応できる、そのような生産方式を輿水先生はCXと呼んでいるようです。

 多種少量生産方式の本命として開発されたセル生産方式が、DXの力を得てリニューアルされようとしています。