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 第783話 「不確実な世の中に対応するには」

 1年前に新型コロナウイルス感染症パンデミックを予測した人はいません。事程左様に先のことが分からない時代のビジネスマンは、どのような心構えで日々取り組めば良いのでしょう。今回は神戸大学大学院経営学研究科教授の原田勉先生の記事からです。

 かつて原田先生がApple社を訪問したとき、「当社では、3ヵ月計画を事業計画といい、1ヵ年計画を中期計画と呼ぶ」と言われたそうです。日本では35ヵ年を中期計画と呼ぶと話すと、「それはドリーム!」と驚かれたそうです。

 目まぐるしく変化するビジネス環境に対しての対応策として、原田先生は「OODAループ」を回転させることを提案されています。これは「観察(Observe)」→「情勢判断(Orient)」→「意思決定(Decide)」→「行動(Act)」で構成される一連の活動のことだそうです。

 OODAは「観察」から始まるのですが、ただ観察するのではなく観察する対象を絞ることが重要だそうです。例えば積水ハウスでは、展示場に来場する顧客データを解析して、本気で新築しようとしている顧客を絞り込むそうです。本気で購入を希望している顧客の多くは、複数の展示場を回ることから、各展示場のデータを一括管理して、次の指示を営業マンに出しているとのことです。

 もう一つ「観察」で重要なこととして「焦点化」があると指摘しています。センサーメーカーのキーエンス社は、調査、企画、開発プロジェクトを一気通貫で全てを兼務する企画担当者がいます。彼らは営業からの情報ではなく、製品を使用している現場を実際に観察し、課題や問題点を情勢判断して新製品開発のネタとするそうです。

 原田先生の説明によると、リーダーには「発見力リーダー」と「実行力リーダー」がいる。仕事が出来ると評価されているリーダーの多くは「実行力リーダー」で、計画や分析を重視し、細かいところに目を配り、不都合があればすぐ対応する。通常の業務はこれで十分だが、OODAでは発見力リーダーの役割が重要。人脈を広げ、そこで質問することで多様なアイディアを収集、関連づけ、実験していく、そんな人材(発見力リーダー)が必要とのことです。

コロナ禍の経験を踏まえると、3年先のことを計画するより、どれくらい目の前のことに対して俊敏に行動できるかが必要なのかもしれません。しかしそれだけでは不足で、第780話(なぜ企業に経営哲学が必要か)で申し上げたように、今こそ主軸が振れないような経営哲学が必要になってきたようにも思えます。