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 第784話 「一人ひとりで分担する方が能率は上がる」

 ワイガヤ効果を強く信じる人は多いと思います。今回はワイガヤ効果に疑義を唱えている、同志社大学政策学部・太田肇教授の記事からです。

太田先生は以下のように述べておられます。集団主義が根強く残る日本企業では人が組織に溶け込み、一人ひとりの仕事が明確に分けられていない。それが強みだと信じている人が、いまだに多い。しかし、そうした信念に反するような事例をしばしば見聞きする。

 例えば、試作モデルを制作している会社で、社員を独立自営に切り替えたら、1人当たりの生産性が3倍に上がった。また、自分の仕事が終わったら帰って良いことにしたら、午前中に仕事を終える人が出たなどなど。

 理由は簡単で、5人で一緒に仕事をした成果にボーナスが出ると仮定しよう。個々では自分がいくら頑張っても5分の1しか影響力がない、すなわち期待値が0.2しかないだけでなく、遅い人の仕事まで手伝わなければならない。ところが、一人ひとりの分担がはっきりしていれば期待値は1.0で最大になる。

 社会心理学者(大阪大学)の釘原直樹先生の研究では、ブレーンストーミングのような相互作用集団より、独立した個人を集めた名義集団の方が、アイディアの総数だけでなく独創的なアイディアの数も多いことを明らかにしています。

 このような話が取り上げられる背景は、急激に広まったテレワークによるようですが、一人ひとりに仕事を「分ける」ことの弊害はないのでしょうか。まず挙げられるのが、「弱肉強食」あるいは「格差拡大」ですが、そうでもないのではと以下のように太田先生はおっしゃっています。

 部下への仕事の与え方を調査したところ、60.4%の上司が優秀な部下に優先して仕事を割り振っていた。これでは優秀な人はますます能力が高まり、劣る人はいつまでたっても能力が上がらない。

 太田先生は、分担した方が協力し合うとも言われています。一人ひとりの分担がはっきりしていると、自分の仕事をこなすために他人の協力を得ようとする。それが結果的にチーム全体の能率を上げることになっている・・・と。

 コロナ禍に悩まされ続ける日々ですが、新しい発見も多いようです。