本文へスキップ

製造業のコンサル小西正暉は○○○○○○○○を専門とする○○○○○○○○会社です。

HEADLINE

 第785話 「モチベーション理論が発見されて100年」

 1911年テイラーは、仕事の能率を上げるための科学的管理法を提唱しました。ノルマ管理と呼ばれ、作業内容を明確に定め管理することがベースになっています。一つ一つの作業内容や手順を、マニュアルにして標準化し、全工程を見える化する管理方法です。「マニュアル化」「標準化」「見える化」など、現代でも耳にする用語から分かるように、業務管理の基礎が築かれた研究でした。

 このテイラーの科学的管理法に対して、「我々はロボットではない」と異を唱えたのが産業心理学者のメイヨーでした。メイヨーはウエスタン・エレクトリック社のホーソン工場で以下のような実験を行いました(ホーソン実験)。作業員の賃金、休憩時間、室内温度、照明など、様々な条件を変えて、2つのチームを競わせました。

どのように条件を変えても、通常の生産高を上回る結果が出ました。分析の結果から能率の向上は、環境要因の変動によるものではなく、実験に選ばれ注目されたことによる心理的な効果によると、メイヨーは結論付けました。これこそ「モチベーション」が仕事の能率アップに大きく作用することが分かった瞬間だそうで、驚くことに発見から100年ほどしか経っていないのです。

その後ホーソン実験を受け、モチベーションには段階があると、マズローが「5段階欲求説」を唱えました。人には「生理的欲求」「安全欲求」「社会的欲求」の低次欲求から、周囲から認められたい「承認欲求」、「自己実現欲求」の高次欲求があるというものです。

 1959年、ハーズバーグはモチベーションを決定づけるものは、仕事の内容からもたらされる「満足感」と、仕事の環境からもたらされる「不満」であると、「二要因理論」を発表しました。

 またマズローの影響を受けたマグレガーは、人間の本性を「仕事嫌いで怠け者なX部分」と「自己実現したいというY部分」に分けて捉える「X理論・Y理論」を提唱しました(1960年)。

 1974年に発表されたマクレランドの「欲求理論」では、人の行動の原動力となるのは「達成欲求」「権力欲求」「親和欲求(周りと友好関係を保ちたい)」「回避欲求(困難な業務から逃れたい)」いずれか、もしくは複数が元になっていると結論付けています。

 1984年には、ロックとレイサムによって「目標設定理論」が発表されています。彼らは、単なる目標設定ではモチベーションへの効果はなく、自己効力感を高めるという観点から、目標設定に必要な要件として「目標困難度(難しすぎず、簡単すぎないこと)」「目標の具体性」「目標の受容(目標設定に関わりコミットメントしたもの)」「フィードバック」の4つを挙げています。

 いやはや「モチベーション」も学者にかかると難しくなるものです。