本文へスキップ

製造業のコンサル小西正暉は○○○○○○○○を専門とする○○○○○○○○会社です。

HEADLINE

 第768話 「生活様式や仕事のスタイルが大きく変わるとき」

 新型コロナウイルスが収まったとしても、元の生活に戻ることはないだろうと、多くの人が唱えるようになりました。このように生活や仕事が大きく変化するとき、私たちはどのような心構えで立ち向かえば良いのでしょう。一つのヒントとして、ダン・アリエリー先生のお話を紹介しましょう。先生は米デューク大学の教授で、心理学と行動経済学が専門です。

 宇宙ロケットの打ち上げには「摩擦」と「推進力」を考慮しなければならない。人間に行動変容を促すのにも、摩擦を減らし、推進力=モチベーションを高めることが重要と、アリエリー先生はおっしゃいます。

 まずは摩擦に関して・・・人は合理的な思考よりも「摩擦を避ける」ことを優先するようです。以下のような例話が紹介されています。

 ジェネリック医薬品は価格が安いだけでなく、薬局の利幅も多い、買う方も売る方も得するにもかかわらず買う人が少ない。単に訴えるだけは効果がなかったので、ジェネリック医薬品の定期購入を予約すれば1年間無料にすると打ち出したが、切り替えたのはたったの1割だった。

私(アリエリー先生)が提案したのは、申込書を送らなければ契約が打ち切られる、その申込書には先発薬かジェネリックかを選択する項目を設けるだった。結果は、ほとんどの人がジェネリックに切り替えました。理由は、切り替えれば1年間無料との打ち出しでは、申込書を送らないのが最も摩擦が少ない。しかし、返送しなければ契約が打ち切られるという「摩擦」が避けられないなら、よりメリットのある方を選んだのである。

 次に推進力(=モチベーション)の話で、例はケニアの貧しくて貯蓄の慣習がない村での貯蓄推進物語です。1100シリング(約100円)を貯蓄しよう、そのキャンペーンとして・・・。

1.  100シリング貯蓄するたびに10シリング支給する。

2.  子供からのように装って、貯蓄をするようメールを送る。

3.  各家庭の入り口に大きなコインを掛け、貯蓄すると縦に傷を、しないと横に傷をつける。

得するのは1のはずですが、2の方が1より効果があり、3が最高でした。アリエリー先生は、人間が常に合理的に行動するとは限らない例で、3が最高の理由は、自分の努力や結果が可視化されたからだと説明しています。

 結論は、大きな変化の時代は、摩擦を軽減し、推進力(モチベーション)をどう上げるか、その試行錯誤が必要でしょうと結んでいます。